福祉の仕事図鑑

保育士として働く

子どもたちがトコトコと駆け寄ってきてくれると思わず抱きしめたくなる。

 就職したての頃、子どもたちとどう接していいのかとまどいがありました。けれども担当となった3人の子どもたちが少しずつ心を開いてくれるたび、そのとまどいもふっきれたように思います。今では私の姿を見つけると駆け寄ってきてくれるほど。なかなか笑顔を見せてくれなかった子がはじけるように笑ってくれるのを見るだけでたまらなくうれしくなります。 

  障害を持つ子どもたちの純粋でかわいい笑顔を見ることは私の一番のヤリガイ。高校時代に看護師になろうか、保育士になろうかと迷った時期もあったけれど「子どもが好き」という気持ちに正直になって下関文化産業専門学校の社会福祉科を選んだことは間違っていなかったようです。人を思いやる気持ちの大切さに気づかせてくれた子どもたちに感謝しています。
佐川 光枝さん 社会福祉法人 光栄会 知的障害児通園施設 うべつくし園 
(下関文化産業専門学校卒業)


「子どもたちのかわいい笑顔を見ると疲れも吹き飛びます」。

佐川さんの軌跡

中学生の頃 3人姉妹の1番上だったこともあり、弟たちの面倒をよく見る頼れるお姉ちゃんぶりを発揮。
高校生の頃 世話好きで子供が大好きだったので保育士を目指し下関文化産業専門学校への入学を決意。
専門学校時代  保育士資格をはじめ、幼稚園教諭、社会福祉主事任用資格など多くの資格を取得して卒業。
現在  知的障害児通園施設うべつくし園に勤務し、担当園児の療育に忙しくも楽しい日々を送る。


佐川さんのある日の様子

08:30
事務的な連絡事項の確認や準備。朝一便のお迎えバスが着くころにはお迎えのため玄関付近にスタンバイ!
10:00
朝の会の始まり。おはようございます!とみんなで元気にごあいさつ。今日一日の時間割を確認してから園庭に出る。
11:00
二便のバスを迎えた後、グループ療育を実施。今日は鬼ごっこ。子どもたちとルールを確認しながら一緒に遊ぶ。
11:50
給食準備スタート。子どもたちが食べ終わるのを見届けたあと、連絡帳に記入をし、子どもたちと遊ぶ。
16:30
帰りの会をして子どもたちを無事送り出した後、職員で掃除を行う。事務仕事・明日の準備を終えたら帰宅。

思い出の品
 園内の壁に毎月飾っているディスプレイを、私たちは「壁面」と呼んでいます。これは私がここに勤め始めてから初めて手がけた壁面です。パーツを描いて切り抜き、レイアウトしながら貼っていきます。結構楽しいんですよ(笑)。


佐川さんよりアドバイス
相手の立場を尊重して!

基本的なことですが、子どもだろうと、お年寄りだろうと、誰であろうと相手の立場になって発言・行動することが「思いやり」だと思います。何気ない一言や態度で誰かを傷つけるようなことがないよう、普段から気をつけておくことが大切ではないでしょうか?


お仕事道具
 これは園児と保護者と私の3人で行う「個別療育」の際に使うもの。手の操作性を高めたり、色や形を認識する力を養う目的があります。

職場の先輩にききました。
稗田 暢子 さん うべつくし園 保育士チーフ

卒業してすぐに保育士をすると、保護者の方のほうが育児の大先輩。しかも、障害を持つ子どもたちとの接し方がわからなくて、勤務し始めの頃は色々悩んでいたようですね。けれども、素直で一生懸命な佐川先生に、今ではすっかり子どもたちも心を開いてくれているようです。落ち込んでもすぐに「次はこう考えてみよう」と工夫するところが素晴らしいですね。