福祉の仕事図鑑

福祉何でもQ&A

Q1 介護老人保険施設は特別養護老人ホームと何が違うのですか?
 介護老人保健施設は病院と家庭の中間施設です。入院期間を終えても家庭復帰が難しい方の機能回復をサポートするようになっています。適切なリハビリテーションを行って最終的には家庭に戻ることを目標としています。一方特別養護老人ホームは生活の場として位置づけることができます。

 長岡先輩は特別養護老人ホーム「幸嶺園」に勤務。お年寄りの生活の場として快適な環境づくりに取り組んでいる。
Q2 リハビリとはどのようなことですか?
 リハビリテーションの略。年をとったり、なんらかの病気の後遺症などにより、身体機能に障害が残った方の機能回復や社会復帰のために行われます。障害がどこに残っているのか、また、その度合いを確認しながら一人ひとりのペースに合わせて行います。杖を使った歩行訓練や小さなボールを使った握力回復訓練など、使用する機具もさまざまです。レクリエーションをおりまぜながら、楽しく訓練をすることも一つの方法ですね。
Q3 特殊浴槽って何ですか?
 重度の障害を持つ方にもお風呂を楽しんでもらえるのがこの特殊浴槽。寝たままの姿勢でベッドがスライドし、浴槽が上にあがることによってお湯につかることができる。泡が吹き出るジェットバスなどの装置も完備されています。

 腰痛で腰を伸ばすことが辛い人でも座ったまま入浴できる「電動リフト」も便利。
Q4 保育士の活躍の場は保育園だけなのでしょうか?
 いいえ、保育園以外にも託児所や授産施設、児童養護施設のほか、知的障害児施設に勤めることもできます。

 家庭的な事情で家庭内での養育が難しい場合には、児童養護施設で子どもたちが生活をすることになります。井上先輩はそうした児童養護施設の一つ「中部少年学院」に勤務しています。
Q5 地域全体の福祉を考えるような仕事がしたいのですが…
 もちろんチャレンジすることができます。町全体の福祉事業や行政のあり方を検討し、様々な機関との連携をとりながら町全体の福祉を考えることが仕事。長い目と幅広い視野がポイントですね。
Q6 新聞によく出ている「えんげ障害」とはどのようなことですか?
 お正月にお年寄りがおもちをのどにつまらせる事故がおこります。年をとってくると、筋力の低下にともなって飲み込む力が弱くなってくるからです。こうした状態を「えんげ障害」といいます。そのため、やわらかい食事(軟食)や細かく砕いた食事が適するのです。
Q7 レクリエーションインストラクターとはどのような資格ですか?
 施設でみなさんの笑顔を引き出すことができるのがレクリエーション。その専門家として活躍するのがレクリエーション・インストラクターです。ハードすぎず、簡単すぎず、適度な運動量があることがポイント。障害を持つ人には、その障害レベルに合わせたレクリエーションを提案することも大切。また、ゲームとして楽しいものや、達成感のあるものなどが盛り上げることができます。

 工藤先輩は大学卒業後社会人経験を経て下関福祉専門学校に入学。卒業後は救護施設「梅花園」に勤務し利用者本位の体制づくりを行っています。
 
 食事介助をする場合には、ゆっくりとその方のペースにあわせて口に運ぶことが大切。自分で食事をするための工夫がなされた専用の食器もあります。
Q8 福祉のプロになるには、どのようなコミュニケーションの勉強をすべきでしょうか?
 通常のコミュニケーションはもちろんですが、言語の発声や目の不自由な方ともコミュニケーションがとれるように手話や点字を学ぶのもおすすめです。
紙の裏から特殊な突起具で押さえ、
表側に飛び出した点を指先で感じて読みとる点字
腕と指の動きで意思を伝え、
相手を理解する手話
Q9 お年寄りの気持ちになるためにはどうしたらいいでしょうか?
 施設見学や実習などで積極的に行動し、お年寄りの話に耳を傾けることから始めましょう。また、写真のような「シニアポーズ」という用具を装着することも一つの方法です。これは、ひじやひざが曲がりにくくなったり、腰が立たなくなるように負担をかけ、身体の自由がきかない感じを実体験できるものです。
Q10 福祉の仕事で大切なことは何でしょうか?
 大切なことはたくさんあるのですが「相手を思いやる気持ち」を常に忘れないことも大切です。

  特別養護老人ホーム員光園に勤める武居先輩は「どうやったら笑顔を引き出せるかいつも考えながら仕事をしている」とのこと。思いやりの気持ちがあふれていれば、自然と笑顔になるのでしょう。